湿布について
① 湿布の種類について
② 冷感、温感刺激の効果
③ 冷湿布と温湿布、どちらを使う?
④ モーラステープの注意点
この4章を読むと湿布についての知識がググッと広がると思います。
湿布には大きく分けて3種類あります。
①冷湿布 (冷感湿布)
消炎鎮痛剤による消炎効果と、メントール等による冷感刺激の効果があります。
②温湿布 (温感湿布)
消炎鎮痛剤による消炎効果と、唐辛子エキス等による温感刺激の効果。
③経皮鎮痛消炎テープ剤
モーラステープやロキソニンテープなど、肌色で薄いテープの様な湿布です。
皮膚から吸収されるタイプの鎮痛剤が効果を発揮します。
冷湿布と温湿布はそれぞれ冷感刺激と温感刺激を与えている、と先ほど説明しました。
痛みは神経を通って脳に到達して、初めて「痛み」になります。冷感や温感も同様です。
例えば「痛み」や「冷感」「温感」という情報の手紙を運ぶ、郵便配達車の通る道路が神経だと思って下さい。
配達車(神経の伝達能力)に載せられる手紙(情報)の量には限界があります。
限界を仮に10として、痛み10を脳まで運ぶと「10痛い!」となります。
ここに例えば冷感6(温感6)を与えると、情報量はトータル16になってしまい、情報運搬能力をオーバーしてしまいます。
すると痛み6と冷感4(温感4)を運び、残りはあきらめます。
脳が受け取る情報はリアルタイムが原則で、後から遅れて届きません。
するとさっきの「10痛い!」は「6痛い」つまり「4痛くなくなった!」になります。
これが湿布の冷感・温感刺激による効果、つまり痛みをごまかす効果です。
※さらに詳しい説明はこちら⇒http://www.cure-bodytalk.com/article/15773371.html
③ 冷湿布・温湿布、どちらを使うべき?
冷湿布と温湿布の目的は一緒です。
どちらにも冷やす効果や温める効果はありません。
湿布は湿っている布なので、冷湿布・温湿布どちらも気化熱を奪われる分1〜2度温度が下がります。
これはアイシング効果を期待するには弱すぎるので無視して良いでしょう。
ただ「温湿布を貼っても1〜2度温度が下がる」というのは驚きではありませんか?
ただし温湿布は唐辛子エキスを使っている分、冷湿布よりもかぶれやすいです。
※冷湿布でもかぶれます
結論として、同じ効果だけど温湿布の方がかぶれやすいので、冷湿布を使いましょう。
病院でも一般的に、温湿布を処方する事はありません。
④
モーラステープの注意点
モーラステープは貼った場所に日光(紫外線)が当たると「光線過敏症」という副作用が起こる場合があります。
貼っている時だけではなく、貼ってから1ヶ月半ほど、貼った箇所に日光を当てるのを避けましょう。
また、白いシャツなどは光を通過させてしまうので、色の濃い服を着用した方が良いです。
自分は平気だと思っていたら、ある日急にバレーの膝サポーターの様に分厚くかぶれて、痛みよりも耐え難いかゆみに襲われるなんて事もあります。
その場合は速やかに皮膚科に行きましょう。
湿布を正しく使えば、痛みのコントロールや炎症の沈静化に効果的です。
それぞれの特性を理解して、上手に利用して下さい。