痛みのポジティブフィードバックとは?
以前湿布について解説した際 ※
http://www.cure-bodytalk.com/article/15753361.html
【② 冷感・温感刺激の効果】の最後にこのように書きました。
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さっきの「10痛い!」は「6痛い」つまり「4痛くなくなった!」になります。
これが湿布の冷感・温感刺激による効果、つまり痛みをごまかす効果です。
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これに対して「湿布はごまかすだけで意味はないという事ですか?」という声も多かったので、この点について解説していきます。
まず結論としては、痛みをごまかす事には意味があるので湿布は有効という事です。
「なぜ痛みをごまかす事に意味があるのか?」
それは
痛みのポジティブフィードバック
を抑える事が出来るからです。
①痛い箇所には、その部分での
部分的な交感神経の興奮
という状態が起こります。
②交感神経の興奮は、血管を収縮させて
血行不良
を作ります。
③血行不良が起こると酸欠によって、その部分に
虚血性の痛み
が起こります。
①虚血性の痛みは、
部分的な交感神経の興奮
を引き起こします。
②血行不良 →
③虚血性の痛み → ①交感神経の興奮 → ②血行不良 → ③虚血性の痛み…とループして、どんどん痛くなります。これを
痛みのポジティブフィードバック
といいます。
①〜③のどこかでストップかけないと、どんどん痛みが強くなってしまいます。
極端なケースでは、痛くなった原因はすでに治っているのだけど、痛みが原因の痛みによってずっと痛みが続いて、飛び火するように範囲が広がっていく。という事もごくまれにあります。
湿布で痛みをごまかす事は、③の虚血性の痛みの時点で痛みのサイクルを断ち切る事になり、
痛みのポジティブフィードバックを抑制 できるという事です。
「ポジティブ」は良い言葉なので少し混乱するかもしれませんが、
「痛み」というネガティブな存在に対して積極的にフィードバックするという意味です。
逆に「痛いのをつねってごまかす」とか、
大怪我で「痛すぎて痛くない」
などは痛みのネガティブフィードバックという事になります。
難しくなってきたのでまとめます。
「湿布で痛みをごまかすと、痛みが強くなりにくいので良い」です。