抗生物質とワクチン
抗生物質が病気全てに効くと思っている人は意外と多いですが、抗生物質は細菌性の病気にしか効きません。
風邪(普通感冒)の80〜90%はウイルスによるものです。
一般細菌・肺炎マイコプラズマ・肺炎クラミドフィラなど、細菌による風邪もありますが稀です。
抗生物質は細菌を叩く薬であるためウイルスには無効です。
つまり一般的な風邪に抗生物質は効きません。
また抗生物質を飲む場合、対象となる細菌を殲滅させる必要があります。
生き残り細菌がいると、その抗生物質に対しての耐性を獲得した細菌(耐性菌)が生まれる可能性があるからです。
耐性菌を作って本人の病状がぶり返すのは自業自得だとしても、誰かに感染させてしまった場合、その人は最初から抗生物質の効かない細菌性の病気にかかるのでいい迷惑です。
そういった特性上、抗生物質は安易に処方されるべきものではないし、飲むなら医師の処方通り最後まで飲み切らないといけません。
【抗生物質には細菌。ではウイルスには?】
抗生物質は多くの細菌に対して有効ですが、それぞれに高い独自性を持つウイルスには 個々に抗ウイルス薬を開発する必要があります。
そのため抗ウイルス薬はまだ少数しか開発されていません。
そこで基本的には、風邪をひいた時に頼りになるのは自分の免疫力です。
抗生物質に頼るのではなく、日頃からしっかり体力をつけておきましょう。
【ワクチンってそもそも何?】
ワクチンは「あらかじめ特定のウイルスや細菌(大抵はウイルス)に対しての免疫力を高めておく」という方法です。
特定のウイルスや細菌を無害化(もしくは軽害化)して 敢えてあらかじめ感染させておく事で、次にその病原体が侵入した時には自分の免疫が対応できるよう備えます。
抗生物質は細菌感染後に使うもので、予防として使うのは無意味どころか、耐性菌を生んで肝心な時に抗生物質が効かないという事態を招く可能性があるのでマイナスです。
ワクチンは感染前に使う予防的な方法で、感染後には無意味です。
正しい知識を持って薬を利用し、
また薬に頼り切らないで、しっかり日頃からのコンディショニングを心掛けましょう。