寝ないとヒトは死ぬか
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2022.09/12
睡眠が健康に大きく貢献しているという事を疑う人はいないと思います。
でも睡眠が、具体的にどう健康に役立っているかを知ってる人は少数ではないでしょうか?
【目次】
1【断眠実験】寝ないとヒトは死ぬか?
2 睡眠の役割
3 良い睡眠の為に
結論だけ読む人用の要約
1【断眠実験】寝ないとヒトは死ぬか?
食事取ってないと餓死するから、食事が大切なのは明確です。
では、睡眠取ってないと不眠死といった死因ってあるのでしょうか?
実は古くから、睡眠の役割を見つけだそうと《断眠実験》が行われてきました。
動物の断眠実験では
・食事の量は増えるのに体重は減
・体温が低下し体毛が抜け落ちて皮膚に潰瘍などを生じる
・最終的に数週間で死亡
という結果が報告されています。
では同様に、ヒトでも睡眠を取らないと死んでしまうのでしょうか?
1959年に小児麻痺救済の募金集めの為に、トリップというDJが200時間に渡って一切の睡眠を取らずにニューヨークのタイムズスクエアのガラスのブースから放送を続けました。
また
1965年にはカリフォルニアの17歳の高校生のガードナーがこの世界記録に挑戦し、264時間12分の断眠の新記録を樹立しました。
この挑戦で2名とも死んでいませんし、大きな身体的問題もありませんでした。
とすれば「睡眠はヒトの健康に必要」というのは私たちの思い込みなのでしょうか?
実は彼らはこの挑戦の4日目頃から、集中力の低下・幻覚・猜疑心など精神的な変調が見られています。
また この2名ほど長時間ではありませんが、ラボで行われた研究でも断眠3〜4日目になると被験者に錯覚や幻覚が生じた事が報告されています。
つまりヒトは2晩以上 完全な徹夜を続けると、身体的に大きな問題はなくても精神的にはかなり危険な状態に陥るという事が言えます。
なお現在、ギネスブックは健康に対
する影響が大きいことから断眠の世界記録を認めていません♂
この文章に触発されて「我こそは!」と挑戦しないで下さいね
「寝ないとヒトは死ぬのか?」という疑問に結論は出ていませんが、食事と同じで睡眠を取らない事は非常に危険だという事は間違いありません。
2 睡眠の役割
睡眠には大きく5つの役割があります。
① 疲労回復
疲労回復には自律神経の切り替えが必須です。
交感神経の「活動状態」から副交感神経の「休息状態」へとしっかり切り替えずに睡眠時間だけ確保しても睡眠の質が低く、十分な回復効果が得られません。
② 記憶の整理
レム睡眠(浅い眠り)で記憶を定着させていき、
ノンレム睡眠(深い眠り)d嫌な記憶の消去を行なっています。
③ 脳の老廃物の除去
脳の神経細胞が活発な覚醒時に老廃物が溜まり、睡眠時に脳脊髄液によって老廃物を流していきます。
老廃物が溜まるとアルツハイマー病などのリスクが指摘されています。
④ ホルモンの調整
朝日を浴びて10時間後頃に《メラトニン》が出て睡眠が誘導されます。
起床後は《コルチゾール》が増えて、糖を代謝して体温が上がり覚醒水準を上げます。
※ コルチゾールはストレスに対しても出るので、ストレスを抱える人は睡眠によるコルチゾール量が減少し、代謝が落ちます。
睡眠中はレム睡眠とノンレム睡眠睡眠が繰り返されますが、最初のノンレム睡眠の時に最大に《成長ホルモン》が出ます。
つまりこの最初のノンレム睡眠の深さ=睡眠の質 と言い換える事ができます。
成長ホルモンは皮膚や筋肉・骨などの再生を促すホルモンなので、睡眠の質が低いという事は皮膚・筋肉・骨の老化が進む事を示しています。
寝るという事は美肌活動でもあるわけです
⑤ 免疫力を高める
免疫力は自律神経・ホルモンと連動しています。
睡眠の質が低いと免疫力が低下し、リウマチやアレルギーなどの自己免疫疾患などの症状を引き起こします。
当然、風邪など感染症リスクも高くなります。
また腸内細菌も夜に不活性になるので、寝てないと腸内環境も荒れやすいです。
3 良い睡眠の為に
《スリープサイクル》といって
布団についてから大体8〜10分ほどかけて入眠して、すぐにノンレム睡眠(脳も体も眠っている)に入ります。
入眠後90〜120分後にレム睡眠(体は眠っているが脳は起きてる)に入り、90〜12分サイクルでノンレム-レムと交互に繰り返していきます。
6〜8時間の睡眠の中で、このサイクルが4周期ほど繰り返される形になります。
4周期繰り返すと徐々に体温上昇が起こり、目覚めに備え始めます。
よく「オレは一瞬で寝れるからすごく睡眠は深い」と豪語する方もいますが、かつての僕もそうでした
しかし入眠には810分かかる必要があります。
バタンキューで寝るのは、そもそも睡眠不足であるという状態です。
入眠直後のノンレム睡眠が最大の睡眠の深さで、徐々にノンレム睡眠は浅くなり、レム睡眠は長くなっていきます。
この最初のノンレム睡眠時に、最も多くの生活ホルモンが分泌され、最も自律神経が整い、最も体と脳の疲労が回復します。
なので、入眠直後のが最も大切です
つまり最初のノンレム睡眠をいかにスムーズに迎えるかによって睡眠の質は決まりますzzZ
その要になるのが体温です
深部体温は日中高くて、夜間は低くなります。
皮膚体温は日中低くて、夜間は高くなります。
自律神経が交感神経から副交感神経に切り替わる事で深部体温が下がり、皮膚体温が上がります。
この特性を体温自体をコントロールする事で活用できます。
お風呂に入って体温が上がると自律神経は体温を下げようと働きます。
深部体温の下降に伴って、お風呂上がりの90分後くらいに副交感神経が優位になります。
そのタイミングで布団に入る事で、最初のノンレム睡眠を深く導く事ができ、体と心をしっかり回復していく事ができます。
お風呂上がり90分後就寝を心掛けてみて下さい
結論だけ読む人用の要約
睡眠には5つの役割があります。
①疲労回復
②記憶の整理
③脳の老廃物の除去
④ホルモンの調整
⑤免疫力を高める
睡眠は心と体のリカバリーという意味だけではなく、美肌活動えもあります。
お風呂上がり90分後就寝を心掛けてみて下さいzzZ
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